このページではジステアリン酸グリコールについて紹介します。
ジステアリン酸グリコールとは?
ジステアリン酸グリコールとは、光沢剤としてシャンプーやボディソープなど幅広い化粧品類に使われる成分です。
化粧品表示名:ジステアリン酸グリコール
医薬部外品表示名称:ジステアリン酸エチレングリコール
英語名:Glycol Distearate
と表記されます。
別名ジステリアン酸エチレングリコールとも言われ、多価アルコール(2価アルコール)の一種であるエチレングリコールに炭素数18の長鎖脂肪酸かつ飽和脂肪酸であるステアリン酸を2つエステル結合してつくられるジエステルです。
商品名としてはNIKKOL EGDS(日光ケミカルズ株式会社)、NIKKOL エステパール 10V(日光ケミカルズ株式会社)などがあります。
ジステアリン酸グリコールの特徴は?
エステル型の非イオン(ノニオン)界面活性剤の一種で、洗浄目的で配合されることはほとんありません。
代表的なパール光沢形成剤であり、パール光沢・乳濁感を付与し高級感を与える目的でシャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔フォームなどの洗浄料に使用されます。
安定性が高く、水の硬度などの影響を受けにくいため、他の界面活性剤と一緒に配合されることが多いです。
また、ジステリアン酸グリコールはその配合量によって製品を白っぽくすることができるため、清潔感を強調したい時などにも利用されます。
洗浄料の他にも、石鹸、クレンジング、化粧水、乳液、保湿クリーム、ピーリング、ボディケア、化粧下地、顔用日焼け止め、ファンデーション、アイブロウ、コンディショナー、トリートメント、入浴剤など多くの場面で活躍しています。
ジステアリン酸グリコールの毒性や安全性は?
ジステアリン酸グリコールは環境中の微生物・酵素の働きによって最終的に無害な物質まで分解されます。
そのため環境への影響が少ない成分と言えます。
動物実験での毒性試験はジステアリン酸グリコールとしてLD50:> 4,000 mg/kg。
これは毒性がないのと同じことを示しています。
動物実験では100%ジステアリン酸グリコールによるパッチテストで皮膚刺激性・皮膚感作性を評価したところ、皮膚刺激・皮膚感作の反応は見られませんでした。
同じように、ヒトに対して0.25%ジステアリン酸グリコール皮膚刺激・感作試験を行ったところ、被検者の皮膚に反応がなかったことから刺激性および感作性はほとんどないと言えます。
眼刺激性ほとんどないなく、発がん性などの変異原性試験であるAmesテストもnegative(陰性)なので、安全性が高い成分だと言えます。
ジステアリン酸グリコールは安全性の高いシャンプーの成分と考えてもいいですね。
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