このページではシャンプーなどに含まれるコカミドメチルMEAについて紹介します。
コカミドメチルMEAとは
英語化学名をCocamide methyl MEA、商品名アミノーン C-11S(花王)。
化粧品における表示名称はコカミドメチルMEAですが、医薬部外としての原料名称はヤシ油脂肪酸N-メチルモノエタノールアミドと呼ばれます。
ヤシ由来の脂肪酸と、ヒドロキシエチルメチルアミンを縮合反応によって作られる、アルキルアルカノール型非イオン性界面活性剤です。
常温で淡黄色から黄褐色の液体で、同様の構造、合成方法、特性を持つ物質にコカミドMEAがあります。
コカミドMEAのアミドがNメチル化されているのがこのコカミドメチルMEAです。
主な用途は香粧品、化粧品用の増泡増粘剤などです。
ヤシ由来脂肪酸から合成されている植物由来で、天然由来のシャンプーの成分として、ナチュラル志向の方や無添加にこだわった人たちの間で好まれ使われています。
シャンプー以外にも洗顔料、ボディソープ、ハンドソープなどにも幅広く使われています。
コカミドメチルMEAの特徴
肌や体に対する刺激性が低く、泡立ち、増粘、可溶化の効果(起泡性、増泡性、増粘性)に優れた界面活性剤なのでシャンプーによく使われている成分になります。
凝固温度が-8.7℃であるため低温でも優れたハンドリング性(扱いやすさ)を持ちます。
そのためコカミドメチルMEAを含むシャンプーは、皮脂による影響をほとんど受けず、汚れた頭皮やスタイリング剤でコーティングされた髪に使用してもよく泡立つという特徴があります。
成分としてシャンプーに配合される場合、ポリオキシエタノールアミド(AES)と共に使用されることが多く、ほかの洗浄成分の助剤としての働きがあります。
コカミドメチルMEAの毒性や安全性は?
コカミドメチルMEAは植物由来の界面活性剤ですがきちんと安全性試験が行われています。
LD50:>2000mg/kgでありこれは毒性がないのと同じことを示しています。
毒性数値が出ているので、多く摂取れば毒性を出すことになりますが、食塩も同じくらいの数値になるので安全と考えて問題ないでしょう。
※コカミドメチルMEA原液は飲まないように。
動物実験の結果でも皮膚への弱い刺激性、眼への最小限の刺激性が認められますが一般的なシャンプーの成分と同様のレベルで特に心配するものではありません。
しかしながら若干刺激性があるので皮膚が弱く敏感な方は少し試してから使用してみてください。
コカミドメチルMEAの遺伝子変異性(発ガン性の指標の1つ)も調べられています。
こちらは生殖細胞への遺伝子変異発生率や培養細胞への変異発生率が調べられておりどちらもnegative(陰性)であり、問題なしと報告されています。
コカミドメチルMEAは、比較的安全性の高いシャンプーの成分と考えてもいいでしょう。
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