ココイルグルタミン酸TEAとは?安全性と成分の特徴

ココイルグルタミン酸TEAサムネイル 成分解析

このページでは、シャンプーなどに含まれるココイルグルタミン酸TEAについて紹介します。

ココイルグルタミン酸TEAとは?

ココイルグルタミン酸TEAとは、ヤシ油から得られる脂肪酸とアミノ酸のグルタミン酸を縮合して得られるココイルグルタミン酸と、TEA(トリエタノールアミン)の塩のこと。

脂肪酸組成はラウリン酸とミリスチン酸を主とするアミノ酸系界面活性剤(アニオン界面活性剤)になります。

 

化粧品表示名をココイルグルタミン酸TEAといいますが、他にも

医薬部外原料規格名:N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン液

英語:TEA-Cocoyl-L-Glutamicacid

と表記されます。

商品名としてはアミノサーファクトACMT-L(旭化成ファインケム株式会社)、amisoft CT-12(味の素株式会社)などがあります。

ココイルグルタミン酸TEAとは特徴

ココイルグルタミン酸TEAを含むアシルグルタミン酸塩類は、髪になじみやすく親和性が高いという特徴があります。

髪になじみやすい理由は、髪のケラチンに近い弱酸性領域(pH5.0-6.5)であるため。

 

さらに、海外で多く使われる硬水中でもすぐれた泡立ちを発揮します。

 

洗浄剤としても起泡剤としても便利なので、シャンプーの他にもボディソープ、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品など幅広く使われます。

 

アミノ酸系界面活性剤の中でも皮脂を残す作用が強めという特徴があります。

皮脂を取りすぎないので、しっとり系の洗顔料やシャンプーに配合されることが多いです。

 

洗い上がりも髪にしっとり感を与え、弱酸性ということもあってバリア機能の低下した皮膚や、刺激を受けやすい皮ふの人にも安心して使用されてきた成分です。

 

ココイルグルタミン酸TEAとは毒性と安全性

ココイルグルタミン酸TEAは、環境中の微生物や酵素の働きによって、最終的には無害な物質まで分解される性質があります。

14日後には90%以上分解されるのです。

そのため環境への影響が少なく、エコロジーな界面活性剤と言えますね。

 

TEAではなくココイルグルタミン酸Naで調べられていますが、毒性試験によりLD50:>5000mg/kgでありこれは毒性がないのと同じことを示しています。

食塩でLD50:>2000mg/kgですので、食塩よりより安全であることがわかります。

 

その他の動物実験の結果でもココイルグルタミン酸TEAは皮膚へは刺激性が認められず、1.5%濃度において眼への軽度の刺激性が認められますが一般的なシャンプーの成分と同様のレベルで特に心配するものではありません。

 

さらに皮膚感作性試験を実施したところ、陰性に分類されたことから皮膚感作性はほとんどないと考えられます。また光毒性はほとんど認められませんでした。

 

遺伝子変異性(発ガン性の指標の1つ)の検査では、Ames 試験により遺伝子変異発生率はnegative(陰性)であり、問題なしと報告されています。

ココイルグルタミン酸TEAでも同様であると考えられ、とても安全性の高い成分だということがわかります。

 

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