このページでは、シャンプーなど化粧品類に含まれるパーム核脂肪酸アミドプロピルベタインについて紹介させていただきます。
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインとは
化粧品表示名をパーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、医薬部外原料規格名 パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、英語ではPalm kernelamidopropyl betaineと表記されます。
商品名は複数あり、アンホレックス PB-1(製造会社 ミヨシ油脂)、ソフタゾリン PKPB (製造会社 川研ファインケミカル)、ニッサンアノンBDC (製造会社 日油) などがあります。
常温で淡黄色透明液体です
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインの特徴
硬水中や幅広いpH領域において安定で高い起泡・洗浄力を付与する特性を持つアミドベタイン型の両性界面活性剤です。
硬水地域でも使いやすい界面活性剤なので、海外で使う時などに便利ですね。
幅広い地域で使いやすい界面活性剤ですが、皮膚に残りやすいのも特徴。
すすぎをしっかりと行いましょう。
洗浄・起泡剤としてシャンプーの他にも洗顔料、ボディソープ、ハンドソープやメイク落としなど身近なものに使われます。
パーム核油はアブラヤシの果皮の中の核から抽出されます。
ラウリン酸約50%、ミリスチン酸約15%、パルミチン酸オレイン酸が5-10%程度含まれるオイルで、ヤシ油と成分が似ているのが特徴です。
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインは、このパーム核油由来のパーム核脂肪酸アシル基のアミドベタイン型の両性界面活性剤です。
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインの毒性と安全性は?
低刺激で、強すぎない洗浄力。
やわらかい洗いあがりで安全性の高い成分です。
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインは植物由来の界面活性剤ですがきちんと安全性試験が行われています。
以下の試験はcocamidopropyl betaine(CAPB)類としての包括試験結果となります。
動物実験での毒性試験はLD50:>2000mg/kgでありこれは毒性がないのと同じことを示しています。
毒性数値が出ているではないかと思われるかもしれませんがこれは多く摂取れば毒性を出すことになります。
例えば食塩もこのくらいの数値になりますね。
その他の動物実験の結果でも皮膚への弱い刺激性、眼への中程度の刺激性が認められますが一般的なシャンプーの成分と同様のレベルで特に心配するものではありません。
しかし、若干刺激性があるので皮膚が弱く敏感な方は試しながら使うことをおススメします。
パッチテストなども有効ですね。
様々なアレルギーに対しての試験もなされています。
光アレルギーの検査では観察されませんでしたが、アレルギー性接触皮膚炎の試験検査で、0.5%という低い濃度で陽性であると報告されています。
すでに皮膚炎の方は注意したほうがいいかもしれません。
遺伝子変異性(発ガン性の指標の1つ)の検査ではnegative(陰性)であり、問題なしと報告されています。
パーム核脂肪酸アミドプロピルベタインは、比較的安全性の高いシャンプーの成分と考えてもいいですが、皮膚の弱い方、皮膚炎の方は様子を見ながら使用しましょう。
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